これぞ映画、辛辣な風刺。(Sans Filtre)
パルムドール(カンヌ映画祭)を受賞した映画「Sans Filtre(邦題:トライアングル・オブ・サッドネス)」を鑑賞しました。
予告編はこちら。
ネタバレはしませんが、とにかく風刺的な要素たっぷりです(フランス語ではsatirique)。悲しいかな、とてもリアリスティックで、単純には笑えない(同時に考えさせられる)。観察眼がすごいです。描き方はかなり異なりますが、大好きなジャック・タチにもつながるところがあると個人的に感じました。
2時間半という大作で、独特のテンポで進みます。つまらないという瞬間がありませんでした。誰かと一緒に観に行ったら、後で「あのシーンが良かった」「このシーンが印象的だった」と話題に事欠かないと思います。
写真の右の俳優がCarl役のHarris Dickinson。以前紹介した映画「Coup de Théatre」にも出演していました。
左の女優はYaya役のCharlbi Dean。残念ながら、今年8月に32歳の若さで亡くなられてしまいました。2009年に自動車で肋骨を折る事故に巻き込まれた際に、免疫系の臓器である脾臓(la rate)を損傷し、脾臓を取り除く手術を受けていたとのことで、肺炎などの感染症のリスクを元々持っていたことが関係しているとの見方があります。
写真右のWoody Harrelsonも登場します。味がありますね。個人的にはやっぱり映画「Three Billboards Outside Ebbing, Missouri」の警官役のイメージが強いです。
監督のRuben Östlundの作品では、「Snow Therapy(邦題:フレンチアルプスで起きたこと)」を観たことがあります。独特なリズム感はこの作品でも見られます。