映画で歴史を学ぶ
休日や時間のある時、フランス語の勉強を兼ねて、よく映画を観ます。
フランス語の映画は、映画館だと字幕なし、家だとフランス語字幕をつけています。他の言語の映画も、フランス語の字幕で観るようにしています。
フランスのテレビでは難聴者向けの字幕 (sous-titres pour les sourds et malentendants)を表示できることが多いので、フランス語の音声にフランス語の字幕をつけることができます。
また、歴史系の映画は、事前に少し勉強してから行くと、内容がわかりやすくなって、フランス語が聞き取りやすくなると感じています。
映画はたくさん観るのに、アウトプットすることが少なくて、内容を忘れてしまいがちなのも何か勿体ないなぁと思い、自分のためにぼちぼちとブログに書いていけたらと思っています。
また、いずれ時系列やテーマごとに映画を並べた表(ツリー図やマインドマップのような)を作れたら、歴史を学ぶ助けになるかなぁと。というのも、フランスに限らずどこかに旅行に行ったり、ドキュメンタリーを見たり、美術展を鑑賞したりするときに、やっぱり地盤みたいなものがないと、同じように抜け落ちちゃうんですよね。
映画って短い時間で凝縮されているので、それが史実がどうかは別として、この地盤作りに活用できたら良いなと思います。
さて、最近映画館で観た映画は、『Le Tigre et le Président』です。(ネタバレがないように気をつけて書きます。)
タイトルにあるTigreとPrésidentは、
- Tigre (虎) = 1906年と1917年に2度首相となったジョルジュ・クレマンソー (Georges Clemenceau)の異名;
- ここでのPrésident (大統領) = 1921年にクレマンソーを破って大統領となったポール・デシャネル (Paul Deschanel)
を指しています。
デシャネルは大統領になったものの、フランス人にとってもあまり知られていない人物のようです。映画でも描かれるように、彼は突拍子もないある「事件」を起こしてしまうのですが、それがフランスの歴史を知っている人にはかろうじて知られていることかもしれません。
見どころとしては、クレマンソーとデシャネルのキャラクター的な対比です。それぞれ、ベテラン俳優のアンドレ・デュソリエ (André Dussollier)、ジャック・ガンブラン (Jacques Gamblin)が演じています。
他にもベルギー人俳優のChristian Hecqが演じた、当時の首相アレクサンドル・ミルランのキャラクターがコミカルでした。
フランスでの予告編 (bandes-annonces)はこちらから。
なおフランスの大統領は、当時(第三共和制:1870-1940)と第二次世界大戦を経たのちの第四共和政(1946-58)では、両院議員たちによって選ばれていました。
現在はフランスは第五共和政 (5ème République 1958-)のもと、国民の直接選挙によって大統領が選ばれています。今年2022年の春にも行われて、エマニュエル・マクロンが再選しました。5年任期、連続しての任期は10年までです。
大統領というのは基本的に権限も大きく、その人となりまで注目されるからこそ、伝記映画が作られるんでしょうね。後になって、実はこういうところもあったとか、こんな先進的な視点があったとか、批判・評価が加えられることもあります。
歴史だけでなく、政治を学ぶにあたっても、ある人物の政策や業績だけでなく、どういう人であったかというのに注目してみようと思いました。