パリ装飾美術館:EXPO années 80
ひと月前ですが、パリに行く機会があったので、初めて「Musée des Arts Décoratifs (MAD)」(パリ装飾美術館)を訪れました。
現在の企画展示は、「Années 80. Mode, design et graphisme en France」(フランスの80年代におけるモード、デザイン、グラフィックアート)。
- 会 期:2022年10月13日から2023年4月16日まで
- 会 場:Musée des arts décoratifs (MAD)(107 Rue de Rivoli 75001 Paris)→ ルーヴル美術館の近くです
- 開館時間:火曜〜日曜日の11時から18時まで(木曜日は21時まで)
- お休み:月曜日、12月25日、1月1日(12月24日と31日は17時に閉館)
- 代 金:14ユーロ(常設展と共通)(25歳以下は無料)
1981年にミッテランが大統領になる頃から1989年にベルリンの壁が崩壊するまでの間の、フランスでの政治的な変化、ファッション、デザイン、グラフィックアートの変遷についての展示です。
ホール(フランス語ではune nefと言います)を上の階(常設展示のあるところ)から見るとこんな感じです。この周りに小部屋がいくつかあって、それぞれテーマに基づいた展示がされています。建物も美しかったです。展示がない場合は下の写真のような姿だそうです。
ミッテランも所属していたParti socialiste(社会党、PSとも呼ばれます)のポスター。
ジャン=ポール・ゴチエのデザインも展示されています。前から見るとボーダーシャツ+白のパンツなんですが、後ろから見るとタトゥーみたいで、遊び心があるなぁと思った作品。ジャン・ジュネ原作(「ブレストの乱暴者」)の映画「Querelle」を彷彿とさせます。 特に気に入ったコーナーは、80年代のテレビCMをひたすら流しているところ!椅子が限られていて人もわんさかいましたが、面白くてずっと見ていました。
CM用の曲やダンスがあったり、コミカルなものが多いです。
TVコマーシャルでフューチャーされていたのは、Jean-Paul Goudeというデザイナーで、1989年に行われたフランス革命200周年行事のパレードのデザインも担当されたようです。
https://www.jeanpaulgoude.com/en/
下のシトロエンのコマーシャルはGrace Jonesが出演していて、なかなかインパクトがあります。
下記の記事にはいくつか展示の写真が載っています。
そしてこの美術館、今回の企画展示ももちろん素晴らしいのですが、常設もかなり良かったです!
結構広いです。一応3階が常設展示のスタート地点なのですが、登ったり降りたりするのでフロアマップを見ながら見落とさないようにしました。企画展示も含め、トータルで3時間くらいいました。これでも最後の方は疲れてさらっと見た感じです。
この椅子はマホガニー製(フランス語ではacajou)で、18世紀末のフランス革命後のものです。無駄のないデザインが素敵だなぁと思って写真を撮っていました。Xの形は「Curule」という古代ローマ時代の椅子から来ているようです。エルメスの椅子だよって言われたら信じてしまいそうなオレンジが印象的でした。
ほっこり和むような小物もありました。
近現代のデザインの展示があるタワーから見える景色も素晴らしかったです。
常設展示の一部の写真はサイトでも見られます。
フランス語版:
英語版: